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日々の生活あれこれ。趣味のロードバイクと猫との生活など

日本の実業団レース雑感

いつも読んでるBlogの一つに筧五郎さんの筧五郎「何とか前に進む。」ってのがあるのだけど、実業団レースに関して意見があったので普段感じていたこと(以下のもの)をコメントしてしまった。

自転車競技(ロード)が注目されるには・・・グランツール、世界選手権やオリンピックで優勝、もしくは総合争いする選手がいること、だと思います。

やはり”世界で勝てる”選手がいないとどんなに頑張ってても世間で話題になるほどは注目されないでしょう。五輪だってサッカーのワールドカップだって、野球の日本シリーズの視聴率は落ちてもWBC(野球板ワールドカップ)では視聴率が異常に高かったように”世界相手に日本人が活躍”していれば大抵の人は感心を持ってくれます。

ただそれをロードで実現するのは難しいと思います。その原因は”競輪”。その理由は”お金”が稼げるから。

ツールに出ている選手がどれだけ稼げるかわかりませんが、日本人同士で争って1レースで何千万も稼げる競輪が存在する限りロードに人材が集まることは難しいのではないでしょうか?競輪が悪、といっているわけではなくわざわざ勝てる可能性が非常に低いロードの世界に入っていくより日本人と同じ土俵で、選手としての寿命も長い競輪選手でお金を稼ぐ方がリスクが少ないと感じます。

自分はロードレースが好きだし見て楽しいのもロードですが・・・。

実業団レースに人が集まらないのは運営側の能力が低いのもあると思いますが、お金ないのも問題でしょう。後はとにかく基準を初めて来た人に合わせること、でしょうか。その辺は自転車屋さんでも認識して頂きたいところですが。

競輪選手の年俸、というかレースの賞金を知るまではずっと日本人がなぜ海外のレースで活躍できないか不思議だった。だけど知った時に上記のコメントのように悟った。そりゃ400ワット近く出して5時間近く走ってそれを一ヶ月近く続けて、世界から集まる連中相手に戦うより、国内で戦う方が楽(経験もしてないのにこんなこといっては非常に失礼だとは思うが)だろう。その上(多分)ロードレースの世界で戦うより競輪の方が儲かる。全ての人が、というわけではないが40代で選手として戦っている人もいる位なので選手生命も長いだろう。二つの競技を自転車ってくくっちゃうのも失礼な話かもしれないけど、自転車に関して言えば外に出て行くよりも国内で戦っている方がローリスクハイリターンではないだろうか?

このことに関してRoppongiExpressさんが記事を書いていて、実際競技をされていた方の感覚も似たようなもののようだ。

id:RoppongiExpress:20080611

HIROさんの意見に二つの点で同意です。

どうすればロードレースが注目されるか?世界で活躍する選手が必要です。冬季五輪の"ノルディック複合"を覚えているでしょうか?一体どれだけの人が荻原兄弟以前にあの競技を知っていたでしょうか?どれほどの競技人口がいたでしょうか?それでもテレビや新聞をだいぶ賑わしていました。つまり、そういうことだと思います。

また"競輪"と"お金"とロードレースの関係。今も昔も1,000mを1分8秒とかで走る非常に高い瞬発力を持ちつつロードレースでも勝てる選手というのは、高校生でも大学生でもたくさんいます。HIROさんのご指摘の通り、そういう選手が自転車で食っていく道を選ぶ時、大抵は競輪選手の道を選択します。私の非常に親しい友達でも、18歳くらいの時に当時の日本チャンピオンをも唸らせるような、すごい自転車乗りとしての才能を持ったヤツが居ましたが、そんな彼も今は競輪選手。理由はそんなに難しくないのかな、と思います。

たまに、こんなにがんばっているのに何で金くれないんだとか、待遇が悪いとか、なぜ夢を追いかけている人にお金を出さないんだ、といった愚痴をプロロードレーサーから聞くけど、世の中の多くの事はお金が絡んで周っているという事実を認識して、自転車レースがどういった経済的なインパクトを与えうるかを考えなければいけない。

今がブームの自転車。俄自転車乗りさんの言うとおり、市民レースの盛況と全日本レベルの試合の衰退っぷりの対比はすごいですよね。

自分も観に行っていないですが、今までの経験から広島での全日本ロード選手権・秋田での全日本TT選手権にどれだけ観客が集まったかは、容易に想像できます。自分もできる範囲(=ホビーレースに限る)でより自転車レースを発展させたいと(最近特に)切に願っており、今後そういう意識で活動していきたいと思っています。

各地で行われているヒルクライムレース自体は参加者が年々増えて1日ちょっとで応募締め切りになっていたりするものもあるらしい。自転車競技には新参者だけど、好きになったからには日本自体のレベルが上がるといいなと思うし、何か応援とかできる機会があればしていきたいと思う。できれば近い将来海外で戦う日本人が見たいのは確かだ。