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日本的キャリアの考え方

キャリアに「目標」は必須ではない
これは言われるまで気がつかなかった新しい視点だ。
記事の最後に簡単なクイズがあって、やってみたところ、自分は若干価値感よりでした。

 世間では、何かを成し遂げるにはビジョンや目標が大切だ、とよくいわれます。「5年後、10年後、20年後、どんなビジョンを持っているの?」「目標は何?」と聞かれることも多いですね。

 「まず目標から発想して、今、何をするかを考えるのがいい。だから人生でも仕事でも目標を決めろ」という人がいますし、もちろん、この方法で大成功している人もいます。私が留学していた頃の米国でも、盛んにビジョンだ、目標だといわれていました。

 ところが、日本に戻ってコーチングの仕事を始めてみると、なかなかビジョンを引き出すことができない。そしてそれを、私の引き出し方が下手だからとか、日本人がアメリカ人に劣っているのではないか……という風に考えたこともありました。

 それは本当でしょうか?

 実は日本人が劣っているのではないのです。ただ、ビジョンや目標を決めるとやる気が出る人と、自分らしさや価値観を日々満たしていく方がやる気が出る人、それぞれ両方の人がいるということなのです。この考え方は100%平本オリジナルです。

確かにこのビジョン型の考え方はどこでもいつでも言われることだ。
目先にとらわれるな、先を見ろ、将来を考えて今を行動しろ!
言われてみれば当たり前のことですが、中々将来が決められなかったり、不安に思うこともあるでしょう。それに対して、日々の生活の中で価値感を持つことが将来につながる、価値感型の思考法もあるよ、と言われるとふっと肩の荷がおりたように楽になります。子供に接する際にもすぐに自分の将来を決めさせるのではなく、とりあえずその日その日をきちんと生きる意味を教えることも非常に有意義なことでしょう。

価値感型の思考は技術職にある人や、エンターテイメント産業などで力を発揮するかもしれません。なんとなくですが昔からの職人のイメージは価値感型です。例えば大工さんは5年後の売り上げを考えるよりも、日々自分がかかわった家が、言ってしまえば自分の削る柱はどうあって欲しいか、といった点を強く考えるでしょう。

最近は就職する際にもその会社でどんな仕事をしたいのか、○年後にはどうありたいのかを考えろ、などといわれますが、いくら自分の考えを伝えて必ず思うように行くとは限りません。そこでへこんで立ち止まってしまうよりも自分の価値感を確立させ、日々を充実させる方向に考え方を変えていけると、充実した生活を送れるのかもしれません。

価値感型だな、と思った人にブックオフの社長さんがいます。
社長さん、といっても元主婦、パートから社長になられたという、日本ではちょっと聞かないキャリアをお持ちの方です。
アメリカでは野球場のホットドック売りが球団のGMに成り上がった・・・とか今まで全く重視されていなかったプラスチック部門からCEO、会長になったジャックウェルチ氏のような話がよくありますが、日本ではやはり王道といえるような社内部門から社長になる人が多いような印象があります。
(1)短大卒・専業主婦が1部上場企業社長になったわけ

 実のところ私は、ブックオフ1号店で仕事の面白さにハマってしまっていました。私は昭和24年、1949年生まれの団塊の世代です。この世代、男性は企業戦士としてモーレツに働き、女性は夫を家で支えるモーレツ主婦になった人が多いんですね。私も典型的な、モーレツ主婦でした。

 だからでしょうか。専業主婦でさしたる社会経験を積んでこなかった自分にとって、家族のためには当たり前と思って日々こなしていた掃除や整理整頓が、店では評価の対象となり、お金まで頂ける。この喜びたるや。自分の意見が店の運営に採用され、自分の小さなアイデアが「それいいね、やってみよう」と認められる。

このエピソードからもこの橋本真由美さんは価値感型の人なのではないかと思いました。いつもこなしていたことをする、それが評価される。橋本さんにはこの職場がフィットしていたのでしょう。ブックオフにはパートで入られ、社長としてのキャリアパスを考えていたわけではないでしょう。またブックオフを選んだ理由も、もしかしたら家から近かったとか、時間が都合がよかったといった程度なのかもしれません。

人生の中である選択がその後にどう影響を及ぼすか、なんて今じゃすぐわからないものですよね。


そういえば最近読んだ"リアル"という漫画にもそういったことが書いてありました。今の道は必ず自分の将来に続いている、と。