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ポジション変更

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あまりに「楽ポジ」だと速くは走れない

シマノSTIレバーや、カンパニョーロのエルゴパワーの形状に合わせて作られたハンドルバーがあるでしょ。アレは、実は僕らにはいらない。前に荷重をかける人が、ああいったタイプのハンドルを求めるみたいだけど、僕らは、8〜9割方の体重がサドルにかかっている。荷重を分散してこそ楽に走れると思っているでしょう? それをやると手が痛くなる、だからフラットな部分が必要となる。僕らはそれが必要じゃない。そこには荷重がかかっていないから。

また、07年くらいから始まった一部のロードバイクの傾向として、リラックスしたポジションで乗ることのできるものが出始めている。これはハヤりではあるけれども、コラムの位置を高くして、ハンドルの位置を上げて、ハンドルバーのリーチを短くして…と、ほとんどクロカンMTBのポジションになってしまった。このポジションだと、ダンシングするときに2時の位置から踏み始めて6時まで踏むのだが、6時から8時まで、力がかけられなくなるはずだ。
つまり、あまりにも「楽ポジ」だと、テクニックが磨けなくなってしまう。初心者から脱出できない、速く走れないということ。これは、空力以前の問題なんだ。外国の人達と骨格が違うからといっても、ある程度は求められるものがあるはず。ステアリングコラムを切ってまでやらなくてもいいから、スペーサーの位置を移動してハンドルの高さを下げたり、ステムを長くしたりして、もう少し低くて遠いポジションを試してみてほしいところだ。


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僕も、プロになって2年目にステムをやたら伸ばされた。ある日、コンピュータで解析してポジションを出したら、「おまえのステムは短い」ということになって、一気に15mm伸ばされた。僕らは5mm刻みでステムを決めるから、15mmなんて異例のこと。このとき、ジロで優勝するような選手も20mm伸ばされた。

こうするとやっぱり背中が低くなるし、空力的にも整流効果を感じた。ハンドル幅も43から42に替えさせられた。これだけ変えると筋肉の使い方が違うから、身体をこのポジションに馴染ませる必要がある。でも、僕らは筋肉をゼロから作るのが当たり前だ。というのは、プロ選手は11月頃に完全なオフがあるでしょ。オフの直後は毎年、シロウトよりも遅いような状況になる。そして、そこから筋肉を鍛えるということを毎年やっているから、筋肉を入れ替えるというのは苦じゃないんだ。

実際には筋肉を入れ替えるわけではないけど、質を変えていくというのは大いにある話だ。だから、ジャラベールのようなスプリンターが、総合力を身につけて山岳王になったりすることも可能なんだ。逆に、クライマーがスプリンターになることはやりにくいけど、それでもできる。ペタッキなんかはもともとスプリンター的な身体ではなかったしね。

ハンドル(これは実は前々から高いと思っていた+平地が遅いので何か変えたかった)を思い切って(20mm)低くしてみた。これは以前にも試みたことがあるのだけど、その時は首とか肩が痛くなって仕方がなかったが今回はまぁ大丈夫なレベル。これで調整幅はなくなり、トップチューブ150mmのみ。

Webの文章読んで、ハンドルが遠いのは嫌だなーと思っていたけど、映像を見て(特に1:10あたりで体幹を使った走りとか)自転車の80%位は空気抵抗との戦い、ということを思い出し空気抵抗を減らすよう意識したフォーム、ポジションを考えてみようと思った。また体幹の強化と股関節の柔軟性を挙げるのは必須だなと。


速くなるために、なんて諸説あって色々な人が色々なことを言ってて絶対解なんてそうそう見つからない。なのでとにかく色々試してみよう。