ラフライド アベレージレーサーのツールドフランス
- 作者: ポール・キメイジ,大坪真子
- 出版社/メーカー: 未知谷
- 発売日: 1999/05/01
- メディア: 単行本
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現状とはかなり違う(だろう)との希望を持たないと目を疑うような言葉がそこに。
ツールドフランスにアシストとしてギリギリ参加できる選手からみたツール。調子の悪い日、気分がのらない日に"一発やって"レースに出ることは常態化しており、特に検査がないとわかっているクリテウムレースではほとんどの選手がドーピング行為をおこなっていたという。ただ、彼らはスター選手のように名前をおぼえられるわけでもなく、ただ毎年の契約に必死。そして今ほど資金が流れ込む時代じゃなかったので、引退した後の生活は非常に不安定でコネがなければ次の就職もおぼつかない状態だったようだ。
有名な選手のドーピング発覚はセンセーショナルだけど、その影には毎回ついていくだけで必死にレースに出場している多くの選手がいて、彼らの気持ちを考えるとただ厳しく苦痛を伴うだけのドーピング検査はちょっと考えてしまう。彼らのドーピングを認めることは出来ないし、グランツールの日程を緩めればただ長く続く単調なレースになってしまうのはわかっているのだが・・・。